いよいよ今年の10月から「消費税」が増税されます。それに合わせて政府は多額の「補助金」を民間企業にばら撒くのですが、業界各社がそこに商機を見て続々と参入してきています。
分かりやすい例が昨年末に世間を賑わせた「PayPay騒動」です。古くはヤフーBBのモデムを街中で配りまくった現象が思い出されますが、手法はそれと同じです。まずは業界内で「シェアを取る」ことに全力を注いでいます。
政府を巻き込んだ大きな動き
来年度予算案に「総額2兆円」程度の景気対策を盛り込む政府の動きに、業界各社は具体的にどのような対応をするのか見ていきましょう。
キャッシュレス決済の未来を語る
上記のYouTube動画は「GLOBIS知見録」さんがアップしたもので、G1経営者会議2018 第6部分科会A「キャッシュレスによるゲームチェンジ~社会はどう便利になりどの企業が覇権を握るのか~」 (2018年11月25日開催/グロービス経営大学院 東京校)の模様です。
登壇者
◆石川 康晴 株式会社ストライプインターナショナル 代表取締役社長
◆川邊 健太郎 ヤフー株式会社 代表取締役社長
◆渋谷 愛郎 株式会社三井住友銀行 執行役員 トランザクション・ビジネス本部長
◆舛田 淳 LINE株式会社 取締役 CSMO(Chief Strategy & Marketing Officer)
◆辻 庸介(モデレーター) 株式会社マネーフォワード 代表取締役社長CEO
フィンテック(ファイナンスとテクノロジーの2つを併せた造語)のエキスパートたちがキャッシュレスの未来を語っています。
要点
●お金の決済が大きく変われば、そこに必ず「すき間」が出来るので大きなビジネスチャンスになる
●POSデータ→→→ビッグデータ=広告ビジネス(リセールマーケティングの最適化)+金融ビジネス
●現金VS電子マネー(モバイルペイメント)VSクレジットカード
●ティーンをキャッシュリッチにしたい(マイクロファイナンス)
●スケールメリットを利用して一気にキャッシュレスへ振り切らないと「普及」は難しい
業界各社の思惑が交差する
2019年は日本に大きな「仕組みの変化」が訪れます。長く続いた支払い方法=現金払いを「政府」と「民間企業」が本気で変えようとしているのです。彼らは「打倒現金」を掲げており、様々な対策を施してくるでしょう。
テレビ広告で叶わなかったビジネスモデルも「モバイルペイメント」が日本に根付くとガラッと変わりそうです。「オフライン決済」「ロケーションデータ」「オンラインデータ」を組み合わせた広告展開によって、今以上に効果的なマーケティング戦略が可能になり、さらにそこに金融ビジネスを絡めることにより莫大なビジネスチャンスが誕生します。
zozotownの「ツケ払い」に近いものがあるのですが、購買意欲の非常に高い「ティーン」向けのマイクロファイナンスなども計画されているようで、今後議論を呼びそうです。消費性向が高い若年層を対象にした取り組みの1つに「メルカリ」や「ヤフオク」で発生した売上金を活用する方法があります。現金化せずに売り上げ金を1つの「通貨」として社会で活用するビジネスモデルも今後出てくるかもしれません。
クレジットカードと電子マネーは同じ「キャッシュレス決済」なので同じグループに見えますが、「ヤフー」や「LINE」各社は店舗からの手数料収入を出来るだけ低くすることによってクレジットカードと差別化をし、普及率で差別化を測っていくでしょう。高コスト体質のクレジットカードより「誰でも手軽に」「どこでも使える」をキーワードにシェア拡大を目指しています。
決済方法戦国時代まとめ
私自身キャッシュレス決済をフルに活用しています。
▼▼▼参考記事↓↓↓
上記記事でも言及しましたが、私生活では「モバイルSuica」以外のモバイルペイメントはまだ使っていません。
日々の小額決済はモバイルSuicaを使用し、それ以外はクレジットカードで決済する。何かあれば現金を使う感じですが、利便性において「〜pay」はモバイルSuicaにはまだまだ敵わないと思います。もちろん店舗側にとっては「手数料が安い」ので導入メリットはありますので、これからどこでも使える支払い方法になっていく可能性は高いですが、東京ではまだまだ「現金派」が主流ですね。
1年間で「100兆円」というとてつもない額の現金が日本で流通していますが、この大きな流れが変わる時、私たちの生活もまた大きく変わっていくでしょう。キャッシュレス決済比率「20%」と言われていますが、現在業界各社が新たな仕組みを必死に作っていますので、2019年は大きな「変化」が見られる年になりそうです。