12月12日付のNHK NEWS WEBによると、政府は消費増税に伴う景気対策として検討しているキャッシュレス決済時の「ポイント還元制度」で還元率を原則5%とする方向で最終調整に入りました。
ただし、コンビニなどのフランチャイズ店舗では2%の還元率に留まる見込みとのことです。
この結果、中小の小売店と大手チェーンの店舗間でポイントの還元率が異なるようで、消費者の混乱は避けられません。
来年度予算案に「総額2兆円」程度の景気対策を盛り込む方針で、これから詰めの編成作業を進める事になります。
これはかなり大きな流れですので、私たち一般国民にとってキャッシュレス化への「ターニングポイント」になりそうです。
キャッシュレス決済はPayPay1強?
先週からサービスが開始された「PayPay」が猛威を振るっています。
「PayPay」とはどんなシステムなのかみていきましょう!
PayPay
YouTube上でも「PayPay」関連の動画が多数アップされていますが、PayPayとは「キャッシュレス決済」アプリです。
「QRコード」や「バーコード」を使って支払いをします。
お店への支払いだけではなく「個人間送金」も簡単に出来るので、飲食代の割り勘などが可能です。
まだPayPayを使用できる店舗が限られていますので、全国的には広まっていないようですが、話題性は他のキャッシュレス決済サービスの比ではありません。
PayPayアプリで支払いをすると、利用金額の20%をポイント還元するというキャンペーンを開催しています。
ポイント還元の上限が一人につき月額5万円相当との規定がありますが、20%の還元率は驚異的です。
さらに抽選で全額(10万円相当まで)戻ってくるキャンペーンも同時開催しており、ネット上では話題騒然です。
PayPay株式会社は「ソフトバンク株式会社」と「ヤフー株式会社」が運営しています。
技術協力は中国のアリババグループの電子決済サービス「アリペイ」より受けており、技術面では問題ありません。
賛否両論ありますが、ソフトバンクグループはこういったキャンペーン戦略が非常に上手い印象があります。
一定のアンチは湧くものの、ビジネス面で見たらソフトバンクほど優秀な会社は他にないくらいです。
今まで幾多のキャッシュレス決済サービスが誕生してきましたが、どれもがそれほど普及していない現状で、これほどまでに大きな話題を作ったのは、ソフトバンクグループが初めてですね。
今大問題になっている「ファーウェイ」や「ZTE」との強い結びつきがあるソフトバンクですが、孫正義は本当にすごいと思います。
次世代モバイル通信システム「5G」を巡るアメリカと中国の戦いがどうなるのか世界が注目していますが、彼ならこの難局も乗り越えられるはずです。
店舗側にもメリット大
PayPayは消費者から見ても便利ですが、店舗側にとっても非常に魅力的なサービスとなっています。
通常、キャッシュレス決済のシステムを採用する際のコストは店舗側が負担しており、そのコストを嫌って導入店舗は伸び悩んでいました。
業種によりますが平均でだいたい5%前後の決済手数料が店舗側の悩みのタネでした。
しかしPayPayならば
初期導入費
決済手数料
入金手数料
上記3点がすべて無料になります。
決済手数料無料は3年間という期限付きながら、このサービスは今までキャッシュレス決済(クレジットカードなど)を導入したくても導入出来なかった店舗にとってはすぐにでも契約したくなるほど魅力的だと思います。
しかも今回のキャンペーンで「100億円分のポイント」が消費者にばら撒かれたので、そのポイントを自分のお店で使ってもらおうとする企業が続々と参入してくるでしょう。
既に他のキャッシュレス決済を導入済みの企業にとっても「決済手数料無料」は非常に魅力的ですので、PayPayが使える店舗は爆発的に増えていきます。
このような思い切った施策が日本のキャッシュレス化への大きな大きな第一歩になる予感がします。